2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋分化における新規Snailファミリー遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
03J05641
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 素行 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 筋分化 / Snailファミリー |
Research Abstract |
Znフィンガーをもつ転写因子Smucはマウスの成体及び後期胚の骨格筋で発現している。またSmucはE-boxモチーフに結合し、MyoDとDNA結合において競合する。以上のことから、SmucはMyoDなどの筋分化調節因子を抑制し、筋分化を調節しているという仮説を考えている。 本研究は、個体及び培養細胞を用いて仮説を検証し、それを通してSmucの機能を解析することが目標である。 本年度は、KOマウスの表現型解析、培養細胞を用いた機能解析を行った。 ・KOマウスの表現型解析 昨年度作製したKOマウスは、ヘテロマウスの交配により野生型、ヘテロ、ホモが1:2:1の比で得られ、ホモ個体は外見上正常であった。 骨格筋に注目し、HE染色像を野生型と比較したが、差異は認められなかった。また、筋再生におけるSmucの関与を検証するために、カルディオトキシンで筋再生を誘導し、以降2日毎にHE染色像を比較した。KOマウスの筋再生は野生型と同様に起こり、違いは見られなかった。 ・培養細胞系を用いた機能解析 細胞株C2C12は筋分化を誘導することができる。筋分化におけるSmucの関与を検証するために、C2C12にSmucを強制発現し分化誘導後24時間毎に筋分化のマーカーであるMyogenin,TroponinTの発現を抗体染色により観察した。具体的には、Smuc-IRES-EGFPとIRES-EGFPをそれぞれC2C12に強制発現し、GFP陽性細胞の中で、Myogenin陽性、TroponinT陽性の細胞の割合をそれぞれ比較した。しかし、分化のタイミングなどもSmucを強制発現したものとコントロールとの間に有意な差は見られなかった。 今後は、Smucの下流遺伝子を特定し、それを元にKOマウスの表現型解析などをより詳細に行いSmucの機能を解析する予定であり、現在その予備的実験を行っている。
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