2004 Fiscal Year Annual Research Report
草本植物の多様性に及ぼす侵略種の影響からみた都市孤立林の保全に関する研究
Project/Area Number |
03J05675
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 亜友美 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 孤立林 / 都市域 / 草本植物 / 種数 / 森林面積 / 入れ子 / 風散布種 / 動物被食散布種 |
Research Abstract |
都市の緑地配置計画策定に資するため,京都市内孤立林12箇所を対象として,草本植物の1)種数と景観スケールの環境条件(孤立林の森林面積・孤立度・形状・人為的撹乱)との関係を明らかにすること,2)種の出現パターンと入れ子から逸脱しやすい種の特徴について明らかにすることを目的とした研究を行った。種数と環境条件との偏相関分析の結果,全種,在来種,国外外来種の種数と関係の強い環境条件は森林面積であり,つる型,匍匐型,ロゼット型の種数は,森林面積に加えて,下刈り施業面積の割合とも強い関係があることがわかった。また,Nestedness Temperature Calculator (NTC, Atmar & Patterson,1993)を用いて種の出現パターンを分析した結果,ある程度入れ子状(下位の入れ子に出現する種が上位の入れ子に順次,組み入れられている状態)の出現パターンであることがわかった。また,1箇所の孤立林のみで記録された種は2箇所以上の孤立林で記録された種と比べ,入れ子から有意に逸脱しやすいとは言えなかった。これらのことから,京都市域における草本植物の種の豊かさを保全するための孤立林の保全計画では,基本的には入れ子の上位の孤立林を重点的に保全するのがよいと考えられた。しかし,種の出現パターンは完全な入れ子状ではなく,多年草,風散布種,動物被食散布種は入れ子から比較的逸脱しやすい種であったことから,入れ子の上位の孤立林の保全だけでは不十分な場合があることも同時に示されているものと考えられる。
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