2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計とselection法の併用による新規機能性RNPの創製
Project/Area Number |
03J05688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 茂祥 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生命分子工学 / 機能性核酸科学 / ナノバイオテクノロジー / 分子設計 / 進化分子工学 / リボザイム |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子設計の手法と進化工学的手法を組み合わせた、合理的な機能性RNAの創製法を確立し、RNAの機能性分子としての潜在能力を追求することである。本年度の研究計画では、既知のRNA構造モチーフを組み合わせて基本骨格RNAを設計し、その基本骨格上に新規な触媒コアを創製する予定であった。その計画に従い、RNA構造モチーフについての生化学的解析を行い、論文として発表し、また、そのモチーフを組み合わせ、新たなRNA構造体を設計した。その間に、当研究室で平行して進められていた研究により、別のRNA構造骨格上に高活性な触媒コアドメインが作製された。そこで、今回得られた触媒コアをさらに高度な機能を有する分子へと進化させる実験を行ったほうが、より迅速に本研究の目的を達成できると判断し、現在はその方向で研究を行っている。 まず、分子モデリングの手法により、得られたシス型リボザイムを基質ドメインと触媒ドメインに分割し、それらのドメイン間に既知のRNA三次相互作用モチーフを挿入することで、トランス型リボザイムへと改変した。作製したトランス型リボザイムは、シス型には劣るものの有意な活性を示し、シス型同様の高い基質特異性をもち弱いながらターンオーバー能も有することが判明した。 ついで、このトランス型リボザイムを試験管内で進化させるための系を考案し、その構築を試みた。具体的には、人工細胞類似体を作製し、その中で反応・選択を行うことで、分子を進化させる系である。現在、細胞類似体の作製、その中での反応の制御に成功し、実験系が完成しつつある。今後は、この実験系を完成させ、簡単な予備実験の後、トランス型リボザイムの試験管内進化を行い、さらに高活性なリボザイムを取得する予定である。
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Research Products
(1 results)