2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計とSelection法の併用による新規機能性RNPの創製
Project/Area Number |
03J05688
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 茂祥 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 生命分子工学 / 機能性核酸科学 / ナノバイオテクノロジー / 分子設計 / 進化分子工学 / リボザイム |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子設計の手法と進化工学的手法を組み合わせた、合理的な機能性RNAの創製法を確立し、RNAの機能性分子としての潜在能力を追求することである.昨年度までに、当研究室で作製されたシス型リボザイムを分子モデリングの手法により改変し、新たなトランス型リボザイムを作製することに成功した。また、そのトランス型リボザイムを試験管内で進化させるための系を考案し、その構築を試みた。本年度は、この試験管内進化系を完成させ、上記トランス型リボザイムの試験管内進化実験を行った。 まず、昨年度に途中まで行っていた試験管内進化系の構築を完了した。具体的には、活性種の選択法を当初の予定から変更した。これは、当初の予定通りの選択法だと系の複雑性が増大し、その実用性に問題が生じると判断したためである。 次に、この進化系が想定通りの挙動を示すかどうか確認するため、予備実験を行った。具体的には、活性型と不活性型の分子を混合し、この進化系を通すことで、活性型が濃縮されるかどうかを確認した。結果、活性の増大が観察され、想定通り活性型の濃縮が起きていることが示唆された。 そこで、これまでの結果から、試験管内進化系が完成したと判断し、実際にトランス型リボザイムの試験管内進化実験を行った。トランス型リボザイムの基質認識部位2つのうちの1つをランダム配列化した分子集団(プール)を作製し、そのプールを試験管内進化系に投入し、5ラウンドの試験管内進化実験を行った。その結果、2ラウンド目で微弱な活性が確認できたものの、それ以降のラウンドでの活性の濃縮が見られなかった。この試験管内進化実験の失敗の原因として、進化実験の各段階での実験精密度の低さ、および、選択圧の不適切性が考えられる。よって、今後はこれらの点を改良し、再度の試験管内進化実験を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)