2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計とselection法の併用による新規機能性RNPの創製
Project/Area Number |
03J05688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 茂祥 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生命分子工学 / 機能性核酸科学 / ナノバイオテクノロジー / 分子設計 / 進化分子工学 / リボザイム |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子設計の手法と進化工学的手法を組み合わせた、合理的な機能性RNAの創製法を確立し、RNAの機能性分子としての潜在能力を追求することである。昨年度までに、当研究室で作製されたシス型リボザイムを分子モデリングの手法により改変し、新たなトランス型リボザイムを作製することに成功した。また、そのトランス型リボザイムを試験管内で進化させるための系を考案し、その構築を完了した。本年度は、この試験管内進化系を用いて、上記トランス型リボザイムの試験管内進化実験を行った。 まず、昨年度までに構築したトランス型リボザイムの試験管内進化実験を行った。具体的には、トランス型リボザイムの基質認識モジュールをランダムな配列と置換した分子集団(ライブラリ)を作製し、そのライブラリを試験管内進化系に投入し、5ラウンドの試験管内進化実験を行った。その結果、2ラウンド目で微弱な活性が確認できたものの、それ以降のラウンドでの活性の濃縮が見られなかった。そこで、各ラウンドでの選択圧等を変更し、再度の試験管内進化実験を行ったところ、4ラウンドの選択操作で有意な活性の濃縮が確認できた。次に、4ラウンド後のライブラリをクローニングし各クローンの活性を測定したところ、プロトタイプと同程度の活性をもつクローンを数種類同定できた。しかし、その各クローンの塩基配列を決定したところ、ランダム化した基質認識モジュールの配列は元のプロトタイプと同一であった。 この結果は、ランダム化したモジュールの配列空間内に、プロトタイプと同等あるいはそれ以上の性能をもつ配列が存在しないか、あるいは非常に少ないことを示唆している。そこで現在、ランダム化するモジュールを触媒モジュールに変更し、かつランダム配列をさらに長くすることで配列空間を広げたライブラリを新たに作製し、再度の試験管内進化実験を行っている。
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