2003 Fiscal Year Annual Research Report
線虫由来の糖鎖分解酵素の生理機能の解明と糖鎖の代謝機構の解析に関する研究
Project/Area Number |
03J05700
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 紀彦 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Caenorhabditis elegans / 遊離糖鎖 / endo-β-N-acetylglucosaminidase / α-mannosidase |
Research Abstract |
線虫Caenorhabditis elegans由来のendo-β-N-acetylglucosaminidase (Endo-CE)遺伝子に関して、feeding RNA interference法を用いて発現を抑制し、その個体の表現型を観察したが、顕著な表現型は認められなかった。 多細胞動物ではサイトゾルのα-Mannosidaseが遊離糖鎖の代謝に関与しているとされている。そこでC.elegansのCytosolic α-Mannosidaseを同定するために、線虫由来のα-Mannosidase遺伝子のykクローンである、yk37b5、yk128b8、yk130c5(それぞれα-Mannosidase遺伝子、F58H1.1、F48C1.1、F55D10.1に対応)を入手し、それぞれについて大腸菌における発現を試みた。しかし、いずれの発現産物も細胞内で速やかに分解してしまい、活性を調べることは不可能であった。 大腸菌において発現がうまくいかなかった理由として、真核生物の遺伝子であること、発現タンパク質がいずれも約100kDaと大きかったこと、またyk37b5、yk128b8に関しては完全長でなかったことなどが考えられた。そこで現在、完全長の遺伝子を酵母で発現させることを試みている。まずそのために、遺伝子F58H1.1、F48C1.1に関して5'RACE法を用いて欠失していたcDNAの5'末端を取得した。その結果、F58H1.1、F48C1.1のmRNAは、Spliced Leader 1を有しtrans-splicingを受けることを見出した。また、F48C1.1に関してはゲノムより予想されたmRNAよりも約220bp、アミノ酸にして約70残基長いことが明らかになった。新たに見出された部分のアミノ酸配列も他の生物種のα-Mannosidaseと相同性が見られた。
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