2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05723
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪田 良一 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ユビキチン / SUMO / 体節 / タンパク分解 / 左右軸 |
Research Abstract |
HESタンパク相互作用因子の網羅的探索 本研究の目的は、酵母ツーハイブリッド法を用いてbHLH型転写抑制因子Hesの生体間分子相互作用分子を網羅的に探索することで、発生過程における分子機序の解明を目指している。現在ではユビキチン化およびSUMO化によるHESタンパクの分子特性の制御の解明を目指している。前年度酵母ツーハイブリッド法でクローニングされたSUMO化経路の因子との結合を新たに共免疫沈降法を用いて証明し、結合ドメインを明らかにした。さらに現在培養細胞化でのSUMO化修飾を検討しており、その修飾部位の決定を行っている。今後は、SUMO化修飾により新たに付与される分子特性の同定を目指すと共に、その生体での意義をトランスジェニックマウスおよびノックインマウスの作製などの発生工学的手法を用いて検討する。 Hesノックアウトマウスの解析 左右軸形成 現在までにマウス結節領域で左右非対称に発現する因子は3つの遺伝子が知られており、いずれも細胞外シグナル伝達に関与するものと考えられている。そのうちの一つの遺伝子DanteはBMPシグナルのアンタゴニストとして働くことが予想されており、マウス結節領域の右側で強く発現する(他の因子は左側で強く発現する)ことが報告されている。当研究員はマウス結節領域のHes mRNAの発現が非対称であることを示唆するデータを得ており、さらにHes mRNAの発現領域および発現時期がDanteとほぼ同じでありながらも、Hesは左側に強く発現し、Danteは右側に強く発現していることを明かにした。現在は転写抑制因子HesがDanteの転写制御に関与するものと予想しその機構の解明を目指している。
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