2005 Fiscal Year Annual Research Report
体節形成における、オシレーション分子Heslの解析
Project/Area Number |
03J05723
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪田 良一 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 体節 / 転写抑制因子 / タンパク分解 |
Research Abstract |
bHLH型転写因子であるHesファミリー分子は、様々な発生過程で働く事が報告されている。その転写抑制の分子機構は主に哺乳類培養細胞を使った実験により明らかにされており、核内で2量体を形成しDNAに結合し、転写抑制因子と結合しターゲット遺伝子の転写を抑制する機構が知られている。 Hes7タンパクはユビキチンプロテアソーム系で分解される。Hes7タンパクが持つ7つのリジン残基をひとつずつアルギニンに置換した7つのK→Rミュータントを作成した。bHLH領域にある22 52 55番目のリジン残基をアルギニンに置換したミュータントはそのタンパク半減期が長くなった。これら3つのサイトでユビキチン化修飾が起きていることが予測される。さらに予想外にもこの3つのミュータントは転写抑制活性が失わていた。また3つのミュータントは、二量体形成、核内移行、転写抑制因子TLEとの結合、DNA結合能は失われていなかった。 一方で、Myc, SREBP, CIITA, Gal VP16など多くの転写活性化因子の活性がユビキチンやプロテアソームにより制御されている事例が報告されている。 これらの実験データと知見より、Hes7タンパクもその転写抑制活性にユビキチンプロテアソーム系で制御されていると仮定し実験を行っている。 現在、温度変異細胞株を用いるなどしてユビキチン化を阻害、Hes7タンパクのモノユビキチン化をミミックするコンストラクトを作成、プロテアソーム活性の阻害剤存在下などで転写抑制活性を測定している。これらの実験よりユビキチン化もしくはプロテアソーム系がHes7タンパクの転写抑制活性を制御している事を示そうとしている。
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