2003 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体作用性天然アミノ酸の精密合成化学的研究
Project/Area Number |
03J05761
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高橋 圭介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイシハーベイン / カイトセファリン / グルタミン酸受容体 / アミノ酸 / 合成化学 |
Research Abstract |
ダイシハーベインに関してはグルコース誘導体を出発物質として、窒素原子の導入、各水酸基の保護、立体選択的C-グリコシル化反応、Wacker酸化によりピラン環部を10gスケールて調整することに成功した。トリフラート化とそれに続くクロスカップリング反応によってダイシハーベインの全炭素骨格を有する鍵中間体をグラムスケールで得た。現在まてでにダイシハーベインのグルタミン酸骨格を有する中間体を得、合成の最終段階について検討中である。 また、ダイシハーベインそのものの合成に向けてグルコースのヒドロキシメチル基の除去についてモデル系を用いて検討を行った。その結果、Willkinson触媒を用いた脱カルボニル化反応により未だ収率は低いものの(35%)、目的とする脱カルボニル体を得ることに成功した。これにより誘導体化の足場としてのヒドロキシメチル基を有するグルコースを出発物質として用いる本合成ルートによって、天然型のダイシハーベインの合成が可能であることを示す端緒をつかむことが出来た。 さらにこれらとは別途に、既出のダイシハーベイン合成において問題の一つとなっているC4位の立体化学制御を可能とする新規合成ルートについても検討中である。 一方カイトセファリンについてはガーナアルデヒドとブタジエニルスズ化合物によるカップリング反応のジエノール生成物に対して、当研究室で開発されたトリクロロアセトイミデートの環化反応による窒素原子導入とそれに続くカイトセファリンのピロリジン環コア部の構築を検討中てある。
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