2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05778
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
柴田 茂紀 同志社大学, アメリカ研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | IMF / 世界銀行 / 経済政策 / 現代日本経済史 / 経済復興 / IMF8条国 |
Research Abstract |
本研究課題「IMF・世界銀行の対日政策」に取り組むにあたり、申請者はアメリカや日本で公開されつつある公的資料を収集し、統計処理も含めて幅広い角度から分析するという、フィールド・ワーク的な手法に取り組んでいる。 既存の研究では、IMFや世界銀行といった国際機関をアクターとした政策分析が少なく、ある特定の国家・地域と日本との関係が注目されることが多かった。しかし、現実には国家・地域の枠を超え、国際機関における協議を通じて実施された経済政策も存在する。そこで本研究では、IMFや世界銀行という国際機関と日本の経済政策との関係を検討し、既存の研究を補足することを目的としている。近年の傾向として、関係する政府系資料・文書が公開され始めており、本研究課題に取り組む時宜を得ていると考える。 本年度は、アメリカや日本において閲覧・収集した資料(書誌並びにマイクロフィルム・マイクロフィッシュから複写した資料)の分析を中心に、世界銀行の対日政策について検討した。まずは、世界銀行の31件に及ぶ対日借款の条件を整理し、それぞれの特徴をまとめた。その作業の一環として、ワシントンでの資料調査に取り組んだ。そして、当初の課題であった「日本が過去の借款を返済し、世界銀行の有数の出資国となった近年に至る過程」を整理する作業を通じて、世界銀行やIMFという国際金融面での政策だけでなく、GATTという貿易面での政策とも密接な関係があることがわかった。その一部は論文という形にして発表する予定である。 本研究課題は、日本の経済政策、とりわけ対外経済政策を多様な側面から考察することを目的としている。本年度は、その成果をまとめる第一年度として有意義に課題に取り組むことができた。
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Research Products
(1 results)