2005 Fiscal Year Annual Research Report
スタンノールジアニオンを用いた含スズ新規π電子系の構築
Project/Area Number |
03J05877
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
芳賀 隆太 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スタンノールジアニオン / ビスタンノール-1,2-ジアニオン / トリスタンノール-1,3-ジアニオン / ポリスタンノール / トリスタンノール |
Research Abstract |
私は、すでにシクロペンタジエン環の1位にスズを有するスタンノールジアニオンの合成及び単離に成功し、その芳香族性を明らかにしている。今回、スタンノールジアニオンと1当量の酸素との反応により、ほぼ定量的にビスタンノール-1,2-ジアニオンを合成することに成功した。種々のNMR測定及びX線結晶構造解析により、このビスタンノール-1,2-ジアニオンが芳香族性を有さないことを明らかにした。ビスタンノール-1,2-ジアニオンはリチウムによる還元反応によりスタンノールジアニオンを与えるという新規な酸化還元系の構築にも成功した。さらにスタンノールジアニオンに1.26当量の酸素を作用させたところ、スズを介してスタンノール環が3つ連結されたトリスタンノール-1,3-ジアニオンの合成にも成功した。 スタンノールジアニオンの酸化反応によるオリゴ及びポリスタンノールの合成を検討した。酸素による酸化反応では、過剰量を作用させると反応が複雑となってしまった。そこで、スタンノールジアニオンに酸化剤として1,2-ジブロモエタンを3当量作用させたところ、空気中で不安定な化合物Xを黄色粉末として与えた。化合物Xをリチウムにより還元させたところ、スタンノールジアニオンのみが生じたことから、化合物Xはスタンノール環がスズを介して連結されたポリスタンノールであることが示唆された。この酸化反応をフェニルリチウム共存下で行ったところ、モノスタンノール、ビスタンノール、トリスタンノールがそれぞれ得られ、フェニルリチウムの当量によりそれらの収率が変化することも見出した。
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Research Products
(3 results)