2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンパクト連星系からの重力波の定式化とそのデータ解析
Project/Area Number |
03J05919
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中野 寛之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 重力波 / コンパクト天体 / データ解析 / 連星系 |
Research Abstract |
今世紀は,「重力波天文学」が宇宙を知る上で重要であることは間違いない.日本国内では,TAMA300と呼ばれるレーザー干渉型重力波検出器が稼動している.本研究では,重力波観測の主要な標的の二つである,コンパクト連星系から放出される重力波波形の理論的予測,重力波のデータ解析法の構築を行う.そのためには,コンパクト連星系の運動を正確に知る必要があり,コンパクト連星系の運動を正確に記述することを第一の目標とする.次に,重力波データ解析で用いることが可能な精密な理論重力波波形を導出し,最終的に重力波検出器によって得られるデータを用いた重力波データ解析法を構築する. 平成15年度は,球対称(シュバルツシルト)ブラックホール時空中のコンパクト天体に対する重力的反作用力の定式化を行なった.この処方をブラックホールの周りを円軌道運動するコンパクト天体に適用し,実際に重力的反作用力を求めた.今回発表した論文では,コンパクト天体の運動が低速度であるという近似を用いて解析が行なわれたが,現在,系統的に高次摂動を計算する方法を模索中である.さらに,宇宙にある一般的なブラックホールは,軸対称(カー)ブラックホールであるが,この時空中でのコンパクト天体の運動の定式化も進行中である. また,コンパクト連星系が合体しブラックホールを形成する最終段階に生じるリングダウンと呼ばれる重力波のデータ解析法を構築した.このリングダウン重力波を検出することは,ブラックホールを直接観測するという意味で非常に興味深い.この方法を用い,TAMA300のデータを用いたリングダウン重力波データ解析が進行中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐合紀親, 中野寛之, 佐々木節: "Guauge Problem in the Gravitational Self-Force : Harmonic Gauge Approach in the Schwarzschild Background"Physical Review D. 67. 104017 (2003)
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[Publications] 中野寛之, 高橋弘毅, 田越秀行, 佐々木節: "An Effective Search Method for Gravitational Ringing of Black Holes"Physical Review D. 68. 102003 (2003)
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[Publications] 中野寛之, 佐合紀親, 佐々木節: "Gauge Problem in the Gravitational Self-Force : First Post Newtonian Force under Regge-Wheeler Gauge"Physical Review D. 68. 124003 (2003)