2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J05942
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山口 哲生 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 心理学 / セルフコントロール / 行動経済学 / 所得効果 / オペラント条件づけ / ラット |
Research Abstract |
強化量と遅延時間からなる二者択一の選択場面において,遅延大強化子の選択をセルフコントロール,即時小強化子の選択を衝動性という.これまで,セルフコントロール選択研究では,異なる強化量と遅延時間がどのようにヒトや動物の選択に影響を及ぼすかという問題が中心に進められ,選択行動を記述する数理モデルの構築と,その妥当性の検証がなされてきた.しかし,所得水準,経済環境,強化子間の関係といった選択肢の内容とは独立した文脈がセルフコントロール選択に及ぼす効果を検討した研究は少数である. そこで本研究では,オペラント条件づけの手法にミクロ経済学の概念を取り入れた行動経済学的アプローチを用いて,選択肢の内容とは独立した文脈が,ヒトや動物のセルフコントロール選択に及ぼす効果を組織的に検討する.また,実際に得られたデータにもとづいて,選択行動を統一的に記述できる数理モデルの構築を試みる. 今年度は,並立連鎖スケジュールによる同時選択場面を用いて,セッション時間と絶対量強化量により定義した所得水準の違いがラットのセルフコントロール選択に及ぼす効果を調べた.即時小強化子と遅延大強化子の強化量と遅延時間は固定したまま,所得水準を3条件設けてその効果を検討した.その結果,所得水準をセッション時間で定義した条件と絶対強化量で定義した条件の間に大きな差は見られなかった.これは、セッション時間と強化量の間に等価性が成立することを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)