2003 Fiscal Year Annual Research Report
明治時代以降の近代化に伴う人為海洋汚染が貝形虫群集に与えた影響の歴史的変遷の解明
Project/Area Number |
03J05950
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
安原 盛明 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 瀬戸内海 / 大阪湾 / 貝形虫 / 完新世 / 汚染 / 産業化 / 重金属 / 放射性年代 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実績の概要は以下の通りである. 大阪湾における完新世貝形虫古生物地理に関する論文をMarine Micropaleontology誌に投稿し受理された.本論文は,申請研究課題である明治時代以降の近代化に伴う人為海洋汚染が貝形虫群集に与えた影響の歴史的変遷を明らかにする上で,バックグラウンドとしてみ自然環境変化と貝形虫の分布とのかかわり詳細に解明するという重要な役割をになう.バックグラウンドとしての完新世の自然環境変化に貝形虫がどのように対応して変化するかを詳細に把握していなければ,人為海洋汚染が貝形虫群集に与えた影響を正確に把握・解明することができないためである.具体的には,本論文では,既に貝形虫群集のデータが公表されているコアを含めた多数のボーリングコアを取り扱い,各コアにおける貝形虫化石群集の時系列変化を詳細に明らかにした.そのうえで,海水準変動・明石海峡や備讃瀬戸海峡の開口などの完新世の環境変化及びイベントに伴う貝形虫の分布の変化・移動を詳細に解明した.特に,備讃瀬戸海峡の成立に伴うBicornucyhere bisanensisの急激な増加と,河内湾の形成・消滅に伴うBicornucythere sp.の移動が顕著に認められた.またその結果を,5枚の古地理図(それぞれ,11000年前,9500年前,8000年前,5000年前,1500年前の大阪湾を表す)上に分かりやすく示した. その他にも,大阪湾における人為汚染と貝形虫の関係の時系列変化に関する論文を執筆し,現在査読中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yasuhara, M., Irizuki, T., Yoshikawa.S., Nanayama, F., Mitamura, M.: "Holocene ostracode paleobiogeography in Osaka Bay, southwestern Japan."Marine Micropaleontology. (未定).