2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインフォマティクス的手法によるナノバイオ磁性粒子生成機構の解明
Project/Area Number |
03J06033
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福田 頼謙 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 全ゲノム解析 / 磁性細菌 / Magnetospirillum magneticum AMB-1 / バイオミネラリゼーション / 磁性細菌粒子 / BMPs |
Research Abstract |
磁性細菌Magnetospirillum magneticum AMB-1株の磁性細菌粒子(BMPs)生成メカニズムの解明に向けてそのゲノム配列を決定し、ORFの同定、特徴付け等数種々の解析を行った。AMB-1ゲノムは、4967148塩基からなり、原核微生物として一般的な長さであった。予測される遺伝子は4574あり、その内、公共データベース(DDBJ, NCBI)に対するホモロジー解析結果、既知のタンパク質と高い相同性を示す遺伝子は、2184と全体の47%であった。また、ゲノム配列決定の際、ショットガン法を用いたが、BMPs生成能のスポンティーニアスな変異株においてゲノム配列から完全に欠落した領域が見いだされた。この領域には、BMPs膜局在タンパク質の遺伝子が集中しており、他の磁性細菌種(MS-1、MC-1)と遺伝子の並び方が保存されていたことから、BMPs生成に重要な領域と考えられる。 これまでに同定されていたBMPs生成関連遺伝子(magA、mms16、mms6等)はそれぞれクラスターを形成しており、オペロンのように近隣の遺伝子と協調してBMPs生成に機能する可能性が示唆された。また、BMPs生成能欠損株におけるトランスポゾン挿入部位のマッピングは、局所的に集中する領域もみられたが、多くはゲノムの全領域に散らばる結果を示した。これは、BMPs生成機能がゲノム上の特定領域に記述されているのではなく、全体に散在していることを示しており、かつては集中していた遺伝子が進化の中でアレンジメントされたのか、もとからあった遺伝子を代謝中で独特に組み合わせることで、BMPs生成という能力を獲得したのかの2つの可能性が考えられた。現在は後者の可能性に重点をおいた解析を行っており、AMB-1株は窒素固定能は有するが、脱窒素能は持たないことが明かとなっている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Wahyudi AT, Takeyama H, Okamura Y, Fukuda Y, Matsunaga T.: "Characterization of aldehyde ferredoxin oxidoreductase gene defective mutant in Magnetospirillum magneticum AMB-1."Biochemical and biophysical research communications. 28;303(1). 223-229 (2003)
-
[Publications] 松永 是, 福田 頼謙: "ゲノミクス・ブロテオミクスの新展開"(株)エヌ・ティー・エス. 1000 (2004)