2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06045
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐賀 彩子 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | クローンマウス / バイアビリティ / 誘電泳動 |
Research Abstract |
マウス卵細胞およびクローン作出の際ドナー細胞の一つとなる線維芽細胞のバイアビリティを細胞の周波数特性を用いて評価する方法を確立することを目的とした。線維芽細胞は妊娠14日目の胎仔から得られた細胞を2〜3週間培養したものを用いた。死細胞モデルとして70%エタノールで5分処理したものを用いた。20μm^φ石英キャピラリーにアセチレンガスを通しながら熱分解することにより作製したカーボン電極を細胞操作用電極とした。細胞培養培地中に操作用電極と1.5cm×0.5cm Pt電極を浸し、細胞を操作用電極から100μmの位置に置きファンクションジェネレーターより、6V_<pp>、15MHz〜50kHzの正弦波を10秒間印加した。その時、細胞が操作用電極に近づいたものを引力(+)、離れたものを斥力(-)とした。挙動が見られなかった場合は、電極を50μm、20μmと細胞に近づけ挙動が確認される距離を調査した。電極と細胞間が100μmで挙動を示した場合を+++もしくは---、50μmで挙動を示した場合を++もしくは--、20μmまで近づけた場合に挙動を示したものを+もしくは-と定義した。その結果、生細胞においては測定した全ての周波数帯において斥力が働き、引力は観察されなかったのに対し、死細胞では10MHz〜50kHz引力が、15MHzで斥力が働くことが観察された。評価後の生細胞においてPI染色は見られなかった。さらにこれらの細胞判別の精度を調査するため、生細胞と死細胞を混合させた細胞群の中から無作為に取りだした細胞を6V_<pp>、500kHzで誘電泳動を行い、それぞれについてPI染色を行った。その結果、本判別法の信頼性は80%以上であった。また、判定後の生細胞を培養したところ分裂が確認された。以上のことより、本研究は蛍光色素等を用いない迅速、簡便な細胞生死評価法として実用可能であると考えられた。
|