2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における解毒酵素GSTP1の発現調節ならびに抗癌剤感受性についての検討
Project/Area Number |
03J06085
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石井 健男 横浜市立大学, 呼吸器内科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 肺癌 / 抗癌剤感受性 / 解毒酵素 / GSTP1 / DNA methylation / アポトーシス / ネクローシス |
Research Abstract |
1.肺癌培養細胞におけるGSTP1プロモーターのCpG islandへのmethylation誘導、および抗癌剤感受性との関連 肺癌培養細胞A549において、GSTP1プロモーター領域のCpG islandにはbisulfite sequencingにて調べたところメチル化はかかっていなかった。同領域の一部に相補的なメチル化オリゴヌクレオチドを遺伝子導入したところ、このCpG islandにメチル化が誘導され、GSTP1の発現が抑制された。このメチル化オリゴヌクレオチドの誘導によりアポトーシスが誘導され、またシスプラチン暴露時の細胞死の増加も見られた。 2.GSTP1の発現と肺癌細胞の生存能との関連 GSTP1の発現を肺癌細胞A549にて制御し、刺激を他に加えない状態での生存能について検討した。GSTP1の発現を抑制すると、アポトーシス及びネクローシスの割合が増大した。機序について検討をおこなったところ、JNK pathwayとの関連は認められず、glutathione抱合との関与が示唆された。 3.肺癌細胞におけるGSTP1の発現量と抗癌剤感受性との関連 予備実験としてHeLa細胞について、GSTP1のcDNAをセンス及びアンチセンスの向きに導入したプラスミドを用いてGSTP1の発現量を制御した。GSTP1の発現量を増大させると、カンプトテシン誘導性のアポトーシスが減少、GSTP1のカンプトテシン抵抗性への寄与が示唆された。 次に、肺癌細胞において抗癌剤感受性とGSTP1発現量との関連を検討した。Adenovirus vectorによりGSTP1発現量増加、siRNAによりGSTP1の発現量低下させた。 A549などの肺腺癌細胞において、GSTP1の発現量低下により、シスプラチン・バクリタクセル・カンプトテシンへの抵抗性の減弱が見られた。
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Research Products
(1 results)