2003 Fiscal Year Annual Research Report
刑事司法における医学的証拠の取扱いと鑑定制度をめぐる諸問題
Project/Area Number |
03J06091
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
南部 さおり 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 医学鑑定 / 代理人によるミュンヒハウゼン症候群 / 検死解剖 / 刑事証拠法 / 法医学 |
Research Abstract |
平成15年度においては、学会として「日本被害者学会」「日本刑法学会」「日本犯罪社会学会」「International Conference on Restorative Justice」「法と心理学会」「日本犯罪学会」など、研究会としては「法と精神科臨床研究会」「RJ(Restorative Justice)研究会」、国際シンポジウムとして「現代司法における専門家関与と市民参加」などに、それぞれ出席し、研究テーマにつき参加者らと活発な議論や意見交換を行った。 また、年度上半期に神戸大学医学部内監察医務室で検死解剖実習を行い、下半期にはドイツ国ミュンヘン大学で検死解剖見学や医師とのディスカッションを行い、同ミュンスター大学で施設見学・ディスカッションを行い、研究テーマに対する意見交換やドイツ国での検死解剖業務の実情などを視察した。 カナダ・ドイツ出張の成果として、児童虐待の一形態である「代理人によるミュンヒハウゼン症候群」に関する最新の情報を入手した。国内出張においては、わが国で最初に同問題が扱われた刑事事件関係者より詳細な情報収集を行い、関係者の一部から訴訟資料の提供と研究協力への承諾を頂くことができた。そこでの成果は、平成16年度中に作成予定である学位請求論文の素材として活用することを予定している。 研究業績としては、「証拠価値ある法医鑑定に向けて-『鑑定資料の範囲』を中心とした考察から-」を作成・投稿し、平成16年度初旬に『犯罪学雑誌』への採録が決定している。
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