2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06371
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 宗利 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 好蟻性 / 多様性 / マレーシア / ハネカクシ / ケアリ / 野外調査 |
Research Abstract |
研究代表者は、表記の研究課題において、好蟻性(アリと共生する)昆虫に関する進化学・分類学的研究を着実に進めてきた。 主な研究内容として、ハネカクシを中心とした好蟻性昆虫全般の分類学的な解明を進めている。その成果の一部として、本年度は5編の論文が発表された。日本や北米、東南アジアを中心とした、幅広い地域における研究結果であり、重要な基礎的情報になることが期待される成果である。具体的には、北米・カナダ地域のアリノスハネカクシの検討、クサアリハネカクシとアリの擬態関係を検定した野外実験の結果、また、旧北区産クサアリハネカクシの分類学的総まとめを行なった。とくに、クサアリハネカクシの分類学的総まとめは15新種を含む48種を扱った200ページを越える大著であり、今後、世界中の研究者に引用される業績といえる。 次に、ハネカクシ-アリ共生系における共進化のプロセスおよび種分化のメカニズムの解明に関する研究として、ケアリ属LasiusアリのミトコンドリアDNA塩基配列に基づく系統解析を用いて検討を進めている。それいん付随する成果として、ケアリ属における社会寄生という現象の進化についても検討を進めている。どちらも全世界の種を用いた研究で、重要な成果が得られることが期待できる。 さらに今年度は本奨励費の旅費を用い、マレーシアで野外調査を行い、多数の好蟻性昆虫を採集、専門的な知識を持つアルバイトにより研究に用いるために標本化した。
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Research Products
(5 results)