2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06384
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
久住 真也 国文学研究資料館, アーカイブズ研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 明治維新 / 徳川将軍 / 幕末政治 / 幕府 / 長州征 |
Research Abstract |
今年度の前半(4月〜8月)は、長州戦争と政治体制の研究を集大成するため、著書の執筆活動を中心とした活動を行った。それに関わる史料収集活動として、東大史料編纂所所蔵の「大日本維新史料稿本」のマイクロフィルム版史料から文久から慶応にいたる時期の史料の悉皆調査を行い、分析を行うとともに、著書執筆の材料とした。 その結果、長州戦争という幕末の一大事件を、より深い次元から捉えることが可能になった。9月〜11月は、著書原稿をもとに、研究史に関わる悉皆調査を行い、文献の複写作業、検討に多くの時間を費やし、自らの研究史的位置づけを明確にすることができ、概ね公表できる内容をもったものを執筆することができた。 平成16年中に著書原稿の形が大方整ったので、文久から慶応期の政治体制をより深く考察するために、同時期、及びその前後の時期の史料蒐集を行う計画を立てた。実際に、名古屋市立蓬左文庫、徳川林政史研究所において、尾張藩の中央政局に関わる史料を調査収集し、年明けは、宇和島市の財団法人伊達文化保存会、鳥取県立博物館における史料調査を実施した。そこでは、地方都市に存在する貴重な幕末政治史料を大量に閲覧することで、近代への変革潮流が非常に深く、幅広いものであることを実感でき、今後のさらなる広い分野への研究の見通しを得ることが可能になった。 また、年度末に茨城大学付属図書館において、同大学の故河内八郎教授の収集した大量の幕末政治史料の写真帳、筆者史料、収集リストを閲覧、撮影する機会を得た。その結果、この時期の幕末政治史を行ってゆくうえでの、史料の扱い方、文献と史料の関係、両者と論文執筆の関係、さらには、研究者と史料調査のあり方など、多くのことに関して、新たな知見を得ることができた。
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Research Products
(2 results)