2003 Fiscal Year Annual Research Report
被験者実験にもとづく経済主体の意志決定と協調行動に関する研究
Project/Area Number |
03J06452
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
井寄 幸平 京都産業大学, 経済学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 被験者実験 / 協調行動 / 経済主体 / ネットワーク型囚人のジレンマ / マーケットマイクロストラクチャー理論 / ベルトラン競争 / 計算機実験 / 実験経済学 |
Research Abstract |
経済主体の意志決定過程を分析するため,まず比較的単純なゲームである「ネットワーク型囚人のジレンマ」の被験者実験および計算機実験を実施し,分析をおこなった.被験者実験では被験者がお互いを評価し,選び合うことによって協調関係を築いていくことや,関係の構築に失敗した場合に自分の利益を守るための行動を取ることなどが確認された.続いて計算機実験をおこない,被験者実験で観察された協調行動の発生パターンを計算機上のエージェントでうまく再現するアルゴリズムを構築できた.これにより,被験者の行動予測や戦略の同定に応用できるものと考える.以上の結果は米国ピッツバーグで開催された国際会議International ESA Meetingおよび京都産業大学で開催された第7回実験経済学カンファレンスのプレフォーラムセミナーで報告した.また,論文としてまとめ,システム制御情報学会誌に投稿,採録された. 次にマーケットマイクロストラクチャー理論にもとづき,寡占企業の行動決定について分析をおこなった.今年度はまず理論解析と被験者実験をおこない,その結果を分析したが被験者の行動は必ずしも理論の予測する均衡だけに収束しないことが分かっている.今後は計算機実験などを用いて被験者の行動戦略を分析していく.さらに経済主体を企業に限定せず,消費者等を含んだ市場のモデルヘと拡張する予定である.以上の結果は国際会議ISAGA(International Simulation and Gaming Association)で報告し,加筆修正のうえ事後出版される雑誌に掲載が決定している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井寄 幸平: "ネットワーク型囚人のジレンマにおける協調行動の創発に関する研究"システム制御情報学会論文誌. 第16巻9号. 468-475 (2003)
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[Publications] Kouhei Iyori: "Prisoner's Dilemma Network : its experiments and simulations"The Proceedings of the Seventh Experimental Economics Conference of Japan. 150-161 (2003)
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[Publications] Kazuhito Ogtawa: "Price Competition between middlemen : An Experimental Study"International Simulation & Gaming Association (ISAGA). 発表予定.