2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物のセンシング及び生長メカニズムを模倣した新しいセンシング手法に関する研究
Project/Area Number |
03J06521
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉泉 寛 佐賀大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生物模倣 / 植物模倣 / センシング手法 / 植物フィトクロム / プライバシー確保 / モニタリング / チェアー / ベッドシステム |
Research Abstract |
今年度は,(1)新しいセンサ材料の開発及び(2)植物機能の工学的応用に関する両研究を並行させながら遂行した.(1)では,全三期のうちの第二期(試作材料の基礎的電気特性に関する実験)に入った.また,植物機能の工学的応用に関する研究では,植物フィトクロームの機能を応用し,新しいセンサ概念及びその応用を提示した.そして,その成果を国内外の学会や発表した.今年度の補助金は,主にセンサ材料の開発と応用システムの製作に充てられた. (1):植物フィトクロームの機能を模倣し,センサ自体が機能的にその特性を変化させる材料の開発を,ここでは「ゴム」に「黒鉛粒子」を塗布する方法で試みている.この過程で,本材料が当初期待していた特性(温度と荷重に反応した抵抗値変化)以外に湿度(水分量)に反応する事が実験により分かった.そして,それは材料の置かれた環境の湿度が低く,荷重変化の無い場合は,本材料は湿度よりも温度の影響を受け易く,一方で湿度が高く,荷重変化の無い場合は,温度よりも湿度の影響を受け易いという現象を実験により発見している.この特性は本材料の製造工程に影響を受けていると予想される.これらの結果は,今後も更に実験を重ね,そのメカニズムを明からにする必要がある.この研究では,本材料の製造,基礎特性を測定するのための装置等の製作費,そして実験データ処理のパソコン関係などに補助金を充てた. (2):植物フィトクロームの単機能的なセンサ機能を積極的に応用し,従来のセンシング(例えば,モニタリング等)とは異なり,ユーザーのプライバシー確保を優先させるための新しいセンサ概念やセンシング概念を提案し,その一応用例として,これらの概念に基づいたセンサの開発及びその応用例(ベッドやチェアーなど)を提示した.その成果は国内及び海外の会議で発表し,査読付論文誌に投稿中である.この研究では,センサ及び応用システムの製作費に補助金を充てた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroshi Yoshiizumi: "A New Sensing Mechanism based on an Imitation of the Phototransformation of Plant"Proceedings of the IEEE Industrial Electronics Society. CD-ROM. 1493-1498 (2003)
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[Publications] 吉泉 寛: "植物フィトクロームの光可逆転換機能の概念を応用した新しいセンシング概念とその応用システム"第20回センシングフォーラム資料. 2C2-6. 367-372 (2003)