2005 Fiscal Year Annual Research Report
角度分解光電子分光法等の手法による有機膜上に金属を堆積させた界面の電子構造の研究
Project/Area Number |
03J06604
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横山 高博 千葉大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 角度分解光電子分光 / バンド構造 / 有機薄膜 |
Research Abstract |
有機膜上に金属を堆積させた界面での金属-有機物間の相互作用による電子構造の変化を明らかにするために必要な、Cu単結晶基板上にp-sexiphenyl(6P)分子の配向膜を作成し、角度分解光電子分光法(ARUPS)等の手法を用いた測定を行った。 1)膜作成条件の最適化を行い、Cu(110)基板上に6P分子の単分子膜を作成した。得られた低速電子線回折(LEED)像と選択則を用いた光電子スペクトルの解析結果から、単分子膜中の分子の位置を決定した。 2)ARUPSを組み合わせた測定を行った。光電子の出射角に対し明瞭な強度、エネルギー位置の依存が観測された。また、単分子膜のスペクトルは前年度の結果と異なり、1層目の分子に特有な電子構造が存在することが明らかになった。6P分子の最高非占軌道(HOMO)と基板のFermi準位の間に、2つの新たな準位が観測され、起源としてそれぞれ、Cu基板の表面準位が分子吸着に伴い表面の対称性が変わったことによるものと、基板から6P分子への電荷移動に依るものが考えられる。このことは、UPSを用いて界面電子構造を議論する際には、基板の構造も考慮に入れる必要があることを示している。
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Research Products
(1 results)