2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06606
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柳澤 和彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | NKT細胞 / 担癌宿主 / α-GalCer / iNOS inhibitor / Macl^+ / Grl^+細胞 |
Research Abstract |
現在、様々な病態においてNKT細胞が注目を集めている。抗腫瘍免疫の領域においては、NKT細胞の特異的活性化物質である糖脂質の一種、α-galactosylceramide(α-GalCer)を投与することによって、マウスにおいて、癌の転移を強力に抑制することが報告されている。このことは、臨床における癌治療のひとつの選択肢となりうると考えられ期待されている。しかし、担癌患者においては、α-GalCerに対するNKT細胞の反応が低下しており、ただ単にα-GalCerを投与することだけでは思ったような効果が得られないのではないかということを我々は報告してきた。 今回我々は、担癌宿主におけるNKT細胞のα-GalCerに対する低反応性の原因を追求するために、担癌マウスモデルを用いて研究を行った。ヒトと同様に担癌マウスにおいてもNKT細胞のα-GalCerに対する低反応性(増殖能、細胞障害活性、サイトカイン産生能)は認められた。また、予想されたように、担癌マウスでは、α-GalCerの投与によらて悪性細胞の転移を抑制することができなかった。この現象の原因の一つとして抗原提示細胞の機能異常があることがわかった。抗原提示細胞においてα-GalCerが提示されるCD1d分子の発現の低下及び、CD40分子の発現低下が認められた。 さらに、(1)担癌マウスにおいてMac1^+/Gr1^+細胞が有意に増加しており、このpopulationがNKT hyporesponseに関与していること。 (2)NKT hyporesponseがiNOS inhibitor(L-NMMA)によって回復させることが可能なこと。を実験的に証明することができた。現在、論文執筆中である。
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