2003 Fiscal Year Annual Research Report
青年に対する心理教育的グループプログラムの開発と実践
Project/Area Number |
03J06608
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
榎本 淳子 千葉大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 心理教育 / グループプログラム / 青年 / 友人関係 |
Research Abstract |
本研究は、教育現場で起きている問題(いじめ、不登校など)の発生を予防することを目的に、児童生徒を対象とした心理教育的グループプログラムの開発と実践を目指している。本年度は以下の3点について研究を進めた。 まず、すでに心理教育的プログラムを実施している国内の中学校、および海外(米国)の小学校を視察し、プログラムの実施状況、またその効果についての意見を伺い、本研究でのプログラム実施に向けて具体的な示唆を得た。これらの学校見学を含め、心理教育研究の近年の動向については、学術雑誌への投稿を視野に現在まとめているところである。 次に、心理教育的プログラムの実施に際して、プログラム内容を決定するために、中学校の教員に対して現在の生徒の特徴について自由記述式の調査を行った。その結果、「相手の傷つくことを平気で言う」、「人の話を聞こうとしない」など自己中心的な態度、「自分の意見が言えない」、「自分で考えて行動することが苦手」など社会的能力の欠如など、現在の中学生の特徴について課題となる点が明らかとなった。この調査から各学年が抱えている対人関係上の問題点が明確となり、プログラムの具体的な実施内容について検討した。 最後に、中学1年生3クラス、2年生2クラスに対して、それぞれの学年で問題となっているテーマの解決を促すような心理教育的な授業(「自分の態度について考える」など)を行った。その結果、生徒からは「初めてこういう授業を受けた」という授業への新鮮さや「考える良い機会になった」など肯定的な感想を得、来年度の継続的なプログラム実施への感触と改善すべき点を検討した。この授業の成果については千葉県教育委員会主催の平成15年度千葉県中学校教育課程研究協議会、道徳部門にて発表した。なお来年度は発達段階に合わせた継続的な心理教育的プログラムの計画・実施、およびその効果測定が課題である。
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Research Products
(1 results)