2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06613
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小山 慎一 千葉大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 視覚 / 運動視 / 知覚学習 / トップダウン処理 / 閾下刺激 / 注意 / 報酬 / 精神物理学 |
Research Abstract |
同じ傾きの直線や同じ方向に動く物体を繰り返し見た時に、それらの傾きや運動方向の刺激に対する知覚能力が向上するという現象は、知覚学習として知られている。知覚学習に低次レベルの視覚野が関与していることはよく知られているが、知覚学習が成立する過程で高次視覚野から低次視覚野へのトップダウン処理がどのような役割を演じているかについてはまだよく知られていない。このため、筆者らはトップダウン処理が運動視の学習の過程で演じる役割について研究した。実験では、被験者は2つのグループに分けられ、それぞれ類似した運動方向を弁別する課題か、もしくはそれらの2つの運動をノイズの中から検出する課題を行った。その結果、どちらの被験者も同じ視覚刺激を同じ回数見たにもかかわらず、学習効果は両グループの間で大きく異なっていた。刺激は両グループで共通だったことから、学習効果の違いはトップダウン処理の違いに起因すると考えられる。また、結果の詳細な分析の結果、弁別学習は抑制性のメカニズムに強く依存していることが示唆された。これらの結果から、トップダウン処理は課題の特性に応じて、学習の抑制性のメカニズムに対する依存度を調整していると推測できる(Koyama et al.2004,Perception)。 また、筆者らは閾値下の視覚刺激を提示し、刺激の知覚にトップダウン処理が関与しない状態でどのように知覚学習がおこるかについても研究を行った。その結果、閾値下の刺激を単独で提示した場合は学習が生じず、閾値化の刺激と伴に目に見えるターゲット刺激が提示されたときに学習が生じることが分かった。この結果は、ターゲット刺激を見つけることによって生じる報酬が知覚学習に関与していることを示唆している(Seitz et al.投稿中)。
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Research Products
(2 results)