2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズの空孔を持つ超分子包接化合物の機能性物質への展開
Project/Area Number |
03J06632
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関谷 亮 千葉大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超分子 / 包接体 / 自己集合 / 結晶構造制御 / カルボニ酸二量体 |
Research Abstract |
以下の番号は本年度の研究実施計画書に記載されている番号に対応している。(1は省略) 2.イソニコチン酸(isoH)及びアクリル酸(acrylH)からなる超分子の包接能の評価 (1)包接体の結晶構造とゲストの分子構造との間の相関関係の解明(isoH系) 合計23種類の包接体結晶の結晶構造とゲストの分子構造を比較検討することで両者の関係が簡箪な数式で結びつけることが出来ることが分かった。 (2)包接能の起源の解明(isoH系) (1)の結果より、本系の芳香族化合物に対する包接能の発現のメカニズムを解明することが出来た。この結果は今後本系の構造展開を図る上でも重要な結果である。 (3)結晶の作成条件の最適化(acrylH系)とX線結晶構造解析(acrylH系) この系は結晶性に難がある。結晶化条件を検討した結果、比較的よい結晶性を持った包接体結晶の作成条件を確立した。得られた包接体結晶の中で新たに3種類の結晶について構造解析が成功した。 3.ビルディングブロックの設計と合成 (1)ビルディングブロックの設計合成と合成ルートの最適化 5種類のビルディングブロックの合成を行った。それぞれの合成ルートの最適化を図ることが出来た。5種類のビルディングブロックの内、2-(4-ピリジル)プロピン酸は空気中不安定であったため、今後用いる事は断念した。 4.(3)で合成したビルディングブロックを用いた超分子の合成及び包接能の評価 (1)包接体結晶の作製と条件の最適化 3-(1)で合成したビルディングブロックを用い、包接体結晶の合成と結晶化条件の最適化を図った。一連の実験の結果、4-(4-ピリジル)安息香酸とtrans-4-(2-(4-ピリジル)エテニル)安息香酸をビルディングブロックとして用いた系から良質な包接体結晶を得ることに成功した。 (2)包接体結晶のX線結晶構造解析 4-(1)で合成した包接体結晶の中で4-(4-ピリジル)安息香酸をビルディングブロックとして用いた系から得られた7つの包接体結晶のX線構造解析に成功した。 以上の研究により、2-(1)〜(3)を論文として、4-(2)を速報として現在執筆中である。
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