2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06692
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青山 拓央 千葉大学, 大学院・社会文化科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 時間論 / 心の哲学 / 自由意志 / 心身問題 / 因果 / 時制 / タイムトラベル / 責任 |
Research Abstract |
平成16年度は、当初の計画に従い、学術誌掲載論文3本を上梓するともに、新たな研究計画にそった学術誌掲載論文1本・非学術誌掲載論文1本を手がけ、計5本の論文を上梓した。現在の研究内容を大まかに列挙するなら、以下の三つの領域に大別することが可能である。(1)心身相関(とりわけ心的状態と脳状態との相関関係)の時間的同時性に関する、心的状態成立時点の遅延可能性に関する議論、(2)物理主義的決定論にまったく依存しないかたちでの自由意志概念の消去、および倫理的責任の位置づけの議論、(3)自著(「タイムトラベルの哲学」,講談社,2002)での研究を、時制の論理的記述可能性の観点から再構築したもの。これらの準備的研究の多くは、博士論文において統合される予定である。 また本年度は、科学基礎論学会・日本科学哲学会などの大会において、計4回の研究発表を行なった。そのうち、6月の科学基礎論学会、7月の若手哲学者研究フォーラムでの発表内容に関しては、すでに論文にまとめたものの学術誌掲載が決定している。前者では、上述した研究領域の(1)に対応し、意識の現象的側面とそれに対応する物理状態との時間的比較が困難であることを指摘した。他方後者では、研究領域の(1)と(3)をふまえたうえで、特別研究員の採用課題である「自己投射機構としての『脳』の概念分析」に新たな角度から取り組んでいる。さらに残りの発表では、それぞれ(2)と(3)に焦点を当てた議論を検討した。これらの発表内容についても、順次論文を作製し、投稿する予定である。
|
Research Products
(4 results)