2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06699
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大須賀 智子 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 音声 / 韻律 / 音声対話 / 話者交替 / 地図課題対話コーパス / 構文構造 |
Research Abstract |
実時間のコミュニケーションにおいて重要な機能を担っている、高さ・強さ・速さなど音声に特有の韻律情報に焦点を当て、その定量的な分析と韻律の持つ機能の解明に取り組んでいる。 今年度は、この韻律の持つ機能の中で、音声対話における対話制御機能に焦点を当て、特に話者交替の有無とそのタイミングにおける韻律情報の役割について、基礎的な検討を行った。千葉大学の所属研究室において以前収録された地図課題対話コーパスのデータを用いて分析を行ったところ、従来は言語情報が優位で韻律情報が補助的に働いているとの見解が強かったが、韻律による予測機能という側面からみると、特に発話交換がスムーズに実現されている場合には、韻律情報のみでも話者交替の有無の推定がある程度可能であるという知見が得られ、実時間理解における韻律情報の有用性が示唆された。この結果から、音声対話システムの対話制御に韻律情報を利用するなど、工学的に応用できる可能性も示され、その観点からも今後引き続き検討を行っていく予定である。なおこれらの成果については、人工知能学会の研究会や音響学会の全国大会にて報告を行った。さらに現在、来年度の国際会議への投稿の準備中であり、学会誌への論文投稿の準備も進めている。 また、昨年度を中心に研究を行ってきた、韻律情報からの発話文の構文構造の推定について、今年度初頭に国際会議8^<th> International Conference on Spoken Language Processingに投稿し、発表を行った。
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