2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06699
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大須賀 智子 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 音声 / 韻律 / 音声対話 / 話者交替 / 地図課題対話コーパス / 構文構造 |
Research Abstract |
音声はもっとも原始的な情報伝達手段であり、実時間で円滑な対話進行が可能である。しかし音声は発話とともに直ちに消えてゆく性質を持っており、言葉の内容を一つ一つ認識してから発話の内容や機能を判断していては間に合わないため、音声は実時間での理解処理を支援するための機能を有していると考えられる。そこで、その機能が高さ・強さ・速さなど音声に特有の韻律情報にあると仮説を立て、その定量的な分析と韻律の持つ機能の解明に取り組んでいる。 この韻律の持つ機能の中でも、昨年度より音声対話における対話制御機能に焦点を当て、特に話者交替の有無とそのタイミングにおける韻律情報の役割について実験的に検証を行ってきた。千葉大学の所属研究室において以前収録された地図課題対話コーパスのデータを用いて分析を行ったところ、発話末において話者交替が起こるか否かの推定が、韻律情報のみでもある程度の精度で可能であり、実時間での理解処理における韻律情報の有用性を示すことができた。さらに、この話者交替/継続の判定が、発話末に達する以前の韻律特徴量のみを用いた場合でもほぼ変わらない精度で実現できるという結果が得られたことから、韻律情報に話者交替の有無を予測可能とするような予告的な情報が含まれていることが分かった。この知見から、音声対話システムでの対話制御に韻律情報を利用し、早期にユーザの発話終了を認識して次動作の処理に入るなど、工学的に応用できる可能性も示された。なおこれらの成果については、今年度の国際会議(Eurospeech)にて口頭発表を行い、また人工知能学会の論文誌にも掲載された。
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Research Products
(1 results)