2004 Fiscal Year Annual Research Report
家族介護経験の「個別性」と援助グループに関する社会学的研究
Project/Area Number |
03J06717
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
井口 高志 お茶の水女子大学, 文教育学部, 特別研究員PD
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Keywords | 痴呆 / ケア / 家族 |
Research Abstract |
本年度は、4月から5月にかけて、関西地方のある都市で活動をしている痴呆の介護者家族の会への参与観察とインタビュー調査約10件を行った。その調査では、痴呆の相手を介護する家族に、痴呆の診断から現在の状況までをライフヒストリー的に語ってもらう調査を行った。内容については、録音したテープを書き起こし、現在集約中で、来年度に社会学や社会福祉、保健医療福祉関連の学会などで報告予定である。8月から12月にかけては、戦後の痴呆性高齢者に対する政策、寝たきり老人に対する政策を歴史的に追うという作業を中心に行った。政府の審議会や研究会の資料、痴呆に言及している専門・大衆雑誌記事などを集め、分析を行っている。一部は、後述する国際会議で報告している(研究全体については、次年度以降に報告予定)。 研究発表に関しては、6月に福祉社会学会第2回大会で、前年までの研究成果を報告し、10月には国際アルツハイマー病協会の国際会議で、"The change in the image of a person with dementia in Japan after the 1960s : Focusing on policy discourse after 1963"と題するポスター報告を行った。前者は、改稿して、10月に社会学の専門誌『ソシオロジ』へ投稿した。後者は、政策の分析であるが、日本語の論文の形でまとめ直し、新しい学問分野である死生学の成果を発表する媒体『死生学研究』に投稿した。 またインフォーマルな研究会であるが、医療人類学者の集まりである現代医療研究会でも、介護者家族会の参与観察データをもとにした報告を行い。人類学者、社会心理学者、生命倫理学者などから有意義なコメントをもらった。
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Research Products
(2 results)