2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06764
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
橋本 真琴 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 婚外子 / 近代家族 / 差別 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
今年度は一年目のため、研究計画の適切さを確認すべく、学会および公開研究会でのプレゼンテーションとフィールドワークに重点を置き、近接領域(家族論・法律学)の研究者および市民の方々(反差別運動に関心を持つ方々)のレスポンスを探った。 1)6月には日本女性学会2003年度大会において、学会報告「法律学における婚外子の問題化過程」を行い、法律学分野の方々やジェンダー問題に関心を持つ方々から、アドバイスを得た。 2)9月には日本家族社会学会13回大会において、セッション報告「構築主義的アプローチにおける婚外子研究の意義」を行い、家族社会学分野での新たな方法論について、学ぶ機会を得た。 3)11月にはお茶の水女子大学COEジェンダー研究のフロンティア主催の公開研究会"婚外子・シングルマザー研究の現在"において、報告「<婚外子>を論じることの意義とその可能性」を行い、主に社会科学分野全般の研究者と市民運動に携わる方々から、今後の研究の方向性について示唆を得た。 4)戸籍の続柄をめぐる裁判の傍聴と、これを支える運動団体の集会に参加し、反差別運動に関する情報を収集した。 以下、三度の報告機会とフィールドワークから得たものを、簡潔に要約して述べる。 α)研究計画において主要課題として掲げていた言説分析については、差別論に重要な示唆を与えるものであることが確認された。1)の学会報告で試みたものを、対象範囲を広げつつ、継続していく必要がある。 β)研究の方法論については、大幅な見直しが必要である。主にフィールドワークをとおして、研究員の専門である社会学分野にとどまらず、心理学領域の研究も参照すべきことが確認された。 以上の知見を踏まえ、来年度は、研究協力者を募り、活字化に向けて努力いたします。
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