2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06772
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
森田 知佐子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カチオン-πが相互作用 / ピリジニウム塩 / 1,4-ジヒドロピリジン誘導体 / Meroquinene / 円二色性スペクトル |
Research Abstract |
これまでに、カチオン-π相互作用をピリジニウム塩への付加反応における立体制御の手法として用い、酸化還元型補酵素NAD(P)Hのモデル化合物や、様々な生理活性化合物の合成前駆体として興味深い化合物である1,4-ジヒドロピリジン誘導体の立体選択的合成ができることを明らかにしている。 本年度は、本手法を応用するととで、抗マラリヤ薬Quinineなどのアルカロイドの前駆体として知られるMeroquineneの立体選択的合成について検討した。利用可能な求核剤としてチオエーテル基を有するケテンシリルアセタールを用い付加反応を行い、1,4-ジヒドロピリジンをd.e.88%で得た。続いて、Schwartz試薬により不斉補助基を除去した後、種々変換反応を行うことで、目的のMeroquineneの合成を達成し、本相互作用が複素環化合物の合成に利用できることを明らかにすることができた。 また、溶液中における分子内カチオン-π相互作用の存在を、円二色性スペクトルを用い検討した。分子内にベンゼン環とピリジニウム環の両方を有する種々の化合物について、円二色性スペクトルの測定を行った結果、正の励起子カイラリティーが観測され溶液中における相互作用の存在を確認することができた。 更に、カチオン-π型不斉補助基として、ピリジン環を有する種々のアミン酸から得られるオキサゾリジン基の合成を検討した。現在合成途中であるが、合成を完成した後、これから誘導される不飽和アミドを用いて種々の不斉反応を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Acharya, P., Plashkevych, O., Morita, C., Yamada, S., Chattopadhyaya, J.: "A Repertoire of Pyridiniurn-Phenyl-Methyl Cross-Talk through a Cascade of Intramolecular Electrostatic Interactions."J.Org.Chem.. 68(4). 1529-1538 (2003)
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[Publications] Shinji Yamada, Tomoko Misono, Chisako Morita, Noriko Nunami: "A novel one-pot, three-component reaction : formation of tricyclic 1,2-dihydropyridines via mesomeric betaines."Tetrahedron Letters. 44(39). 7365-7367 (2003)