2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06777
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近江 玲 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | テレビ番組 / 認知能力 / パネル研究 / 攻撃性 / 向社会性 / 情報活用能力 |
Research Abstract |
テレビ視聴が子どもの認知能力や攻撃性、向社会性、そして情報活用能力に与える影響を検討するために、同一の被調査者を対象とし、3時点にわたり同一の変数を測定する、3波パネル研究の実施を開始した。被調査者は、1時点目に小学1年生と小学4年生であり、その数は、小学1年生が139名、小学4年生が130名であった。独立変数として、テレビ、ビデオ、テレビゲームといったメディア別接触量、テレビ番組のジャンル別接触量を、保護者による観察日誌によって測定した。従属変数については、認知能力(言語、空間処理、創造性など)を測定する認知能力テストを2学年において実施し、小学4年生については、攻撃性、向社会性、情報活用能力を、自己記入式質問紙で測定した。 メディア別接触量と各従属変数との相関関係を分析した結果、小学4年生において、テレビゲーム接触量は、言語能力との間に有意な正の相関があった一方で、向社会性、情報活用能力の下位能力との間には、それぞれ有意な負の相関を示した。小学1年生については、いずれの変数間にも有意な相関は見られなかった。 ジャンル別接触量と各従属変数との相関関係を分析した結果、小学1年生では、トーク番組、アニメ、ドラマの接触量がそれぞれ、空間処理能力と負の相関があった。小学4年生については、ニュースの接触量と言語能力との間に有意な正の相関があったが、バラエティー番組の接触量は言語能力と有意な負の相関があった。 今後、パネル研究を継続して実施し、独立変数と従属変数の因果関係を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(3 results)