2004 Fiscal Year Annual Research Report
コケイン症候群A群蛋白質の機能解析による「転写と共役したDNA修復」機構の解明
Project/Area Number |
03J06792
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神内 伸也 東北大学, 加齢医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | DNA修復 / 転写と共役したDNA修復 / コケイン症候群 / 色素性乾皮症 / 核マトリックス |
Research Abstract |
これまでの結果および知見より、「転写と共役したDNA修復」(TCR)過程においてA群コケイン症候群(CS)の原因遺伝子産物であるCSA蛋白質がB群CSの原因遺伝子産物であるCSB蛋白質依存的に核マトリックスに移行することが明らかとなっていることから、紫外線および酸化的DNA損傷のTCRに異常をもつ、色素性乾皮症(XP)とCS合併患者由来の細胞、XPB/CS、XPD/CS、XPG/CS細胞を用いて紫外線照射後のCSA蛋白質およびXPG蛋白質の核マトリックス移行の有無について検討した。 CSA蛋白質の核マトリックスへの移行は、紫外線照射したXPB/CS、XPD、XPF細胞では認められたが、XPD/CS、XPG、XPG/CS細胞では認められなかった。また過酸化水素処理した細胞では、XPB/CS、XPD、XPD/CS、XPF、XPG細胞でCSA蛋白質の核マトリックスへの移行が認められたが、XPG/CS細胞ではその移行が認められなかった。一方で、XPG蛋白質の核マトリックスへの移行は、現在までに調査した結果では、紫外線照射した正常細胞およびCSA、CSB細胞で、その移行が認められた。 これらの結果は、転写と共役したDNA修復の過程においてCSA蛋白質より初期の機序段階においてCSBおよびXPD、XPG蛋白質が機能していることを示唆している。またXPG蛋白質の核マトリックスへの移行がCSB蛋白質に依存していないことから、CSB蛋白質とXPG蛋白質が転写と共役したDNA修復の初期段階で並列して機能していると考えられる。
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