2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06825
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 隆之 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 一向一揆 / 白山本宮 / 山内 / 加賀 / 白山 / 一揆 / 中世 / 地域 |
Research Abstract |
「文明六年・長享二年加賀一向一揆における白山本宮と山内衆」 加賀一向一揆の蜂起について、これまでの研究では、本願寺系門徒、富樫氏、国人の一揆参戦の動向や動機から主に検討されてきた。だが、同じく一揆方に参戦した加賀一宮・白山本宮やその膝下山内地域の人々・山内衆の一揆方参戦の過程や動機については、十分明らかにされているとは言い難い。一向一揆の蜂起の要因は、微たりとはいえ、一揆を構成した諸勢力個々の参戦の動機を解明することを通じて明らかになると考える。本研究では、そのことを念頭に置いて、本宮や山内衆が一揆方として参戦していく過程や動機について検討した。 検討の結果、以下のことを明らかにした。山内地域は旧来の加賀禅定道に拠る本宮や尾添村を含む村々および門徒集団・組々の祖形となる集団と、新加賀越前禅定道に拠る山内庄地頭結城氏や牛首・風嵐村を含むそれらとに分裂した状況にあった。一向一揆に合力する本宮方の本質的な動機とは、新加賀越前禅定道に拠る勢力と結びついて、旧来の加賀禅定道の権益を脅かす守護を打倒し、一揆と新守護に権益を保障してもらうことにあった。 以上の結果を踏まえて、一向一揆とは、真宗信仰を護持する一揆であっただけでなく、一揆に合力した諸勢力の権益をめぐる様々な思惑、主観が折り合わさって、守護打倒という主張の下にまとまった運動でもあったことを指摘した。
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Research Products
(2 results)