2004 Fiscal Year Annual Research Report
極薄金属膜の均質酸・窒化プロセスと高性能強磁性トンネル接合膜への応用に関する研究
Project/Area Number |
03J06862
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉村 哲 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気ランダムアクセスメモリ / 強磁性トンネル接合膜 / 高濃度オゾン / ラジカル・イオン / 原子状酸素 / 酸化過程 / 金属膜平坦化 / プラズマトリートメント |
Research Abstract |
次世代固体メモリとして注目されている実用化間近の磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)における読み出し時のエラーレートの低減や高密度化や高速動作化のためには、強磁性トンネル接合(MTJ)において、高い磁気抵抗変化率を維持しつつ、接合抵抗を低減することが必要不可欠で、ピンホールなどの欠陥の少ない均一な組織を有する極めて薄い絶縁膜を作製しなければならない。本研究では、様々な酸化もしくは窒化プロセスを用いて、様々な金属材料の酸化膜もしくは窒化膜の高品質化を実現させることを目的としている。 平成16年度は、極薄金属Al膜をマイルドに酸化させて過不足のない酸化物絶縁膜を実現させることを目的として、酸化種のエネルギー準位がプラズマ酸化法の場合(ラジカル・イオン:>5eV)より低い高濃度オゾン酸化法(原子状酸素:2.5eV)を用いた。また、金属Al膜の連続化膜厚を低減させることを目的とし、プラズマトリートメントにより下部強磁性電極層の平坦化を行った。 1.金属Al膜の高濃度オゾン酸化 金属Al膜のオゾン酸化は、プラズマ酸化の場合に比較して、瞬時に形成される酸化膜厚(反応律速酸化膜厚)が薄く(4.5Å)かつ拡散により形成される酸化速度(放物線速度定数)が小さい(2桁程度)ことがわかった。その結果、オゾン酸化法により作製したMTJは、プラズマ酸化法により作製したMTJに比較して、より薄い金属Al膜(8Å)の過不足のない酸化を実現できることが判った。 2.プラズマトリートメントによる下部強磁性電極層の平坦化 0.08W/cm^2の微弱なRFプラズマを金属薄膜表面に照射することにより、その金属表面をエッチングすることなく平坦化が図れることが判った。この平坦化により、6Åの極薄金属Al膜を有するMTJにおいて、低い接合抵抗(5x10^2Ωμm^2)を維持しながらTMR比を増大(1%→26%)させることに成功した。
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