2005 Fiscal Year Annual Research Report
極薄金属膜の均質酸・窒化プロセスと高性能強磁性トンネル接合膜への応用に関する研究
Project/Area Number |
03J06862
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉村 哲 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手
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Keywords | 磁気ランダムアクセスメモリ / 強磁性トンネル接合膜 / 高濃度オゾン / ラジカル・イオン / 原子状酸素 / 酸化過程 / 金属膜平坦化 / プラズマトリートメント |
Research Abstract |
次世代固体メモリとして注目されている実用化間近の磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)における読み出し時のエラーレートの低減や高密度化や高速動作化のためには、強磁性トンネル接合(MTJ)において、高い磁気抵抗変化率を維持しつつ、接合抵抗を低減することが必要不可欠で、ピンホールなどの欠陥の少ない均一な組織を有する極めて薄い絶縁膜を作製しなければならない。本研究では、様々な酸化もしくは窒化プロセスを用いて、様々な金属材料の酸化膜もしくは窒化膜の高品質化を実現させることを目的としている。 平成17年度は、巨大なトンネル磁気抵抗変化率が得られると予想されている、結晶質マグネシウム酸化物を絶縁層に用いたMTJの作製を試みた。マグネシウム酸化物絶縁層の形成方法として、一昨年度に確立したプラズマ酸化法・昨年度に確立したオゾン酸化法・反応性スパッタ法・直接成膜法などを用い、その構造について検討した。また積層膜の平坦化には、昨年確立した金属膜表面へのプラズマトリートメントを用いた。その結果、マグネシウム酸化物を絶縁層に用いたMTJの高結晶配向化・高平坦化を、生産プロセスに適合可能な熱酸化膜付きSiウエハ上、および生産プロセスとして使用されているスパッタ法を用いて初めて実現し、極めて高い磁気抵抗変化率を得た。本研究の今後については、本MTJをMRAMに適用すべく、接合抵抗の低減(マグネシウム酸化物絶縁層厚の低減)・強磁性層材料の最適化が挙げられる。
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