2003 Fiscal Year Annual Research Report
固相合成によるナノ積層型高分子結晶の創製と特性評価
Project/Area Number |
03J06927
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小谷 徹 東北大学, 多元物質化学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 固相反応 / トポケミカル重合 / ジアセチレン / ジエン / 結晶 / インターカレーション / 銀微粒子 / ハイブリット |
Research Abstract |
1.ジエン部位、ジアセチレン部位を持つモノマー結晶の重合による積層型ポリマー結晶の合成 種々のジエンカルボン酸ジアセチレンジアンモウム結晶の光反応性について検討を行なった。ジソルビン酸ブタジインジベンジルアンモニウムに高庄水銀灯を用いて8時間光照射したところ、青色に着色し、ジアセチレン部位の固相重合が進行していることがわかった。光照射後のCP/MAS ^<13>C-NMRスペクトルにおいて、ジエンポリマーに由来するピークが確認され、ジエン部位も重合していることがわかった。しかしながら、ポリジアセチレンに由来するピークは確認されず、ジイン部位の転化率は低いことがわかった。このモノマー結晶のモノマーの結晶構造解析を行なったところ、ジエン部位は4.88Åの繰り返し周期をもち、これまでに報告されている重合性のソルビン酸誘導体の配列と一致したことから、重合に適した結晶構造であることがわかった。一方、ジイン部位はジエン部位と同じ周期で配列しているものの、分子の傾きが重合に理想的な角度からずれているため、重合収率が低いことがわかった。 2.銀イオンの光還元によるナノハイブリット材料の合成 ポリマー層と金属ナノシートが交互に積層したこれまでにない有機-無機ナノハイブリッド材料の構築について検討を行なった。ポリムコシ酸アルキルアンモニウムの結晶を水酸化ナトリウム水溶液に含浸させることで結晶状態を保持したままナトリウムイオンがインターカレーションし、ポリムコン酸ナトリウムとした。このポリムコン酸ナトリウムを硝酸銀水溶液に浸し、ナトリウムイオンを銀イオンに交換したのち、光還元することでポリマー層間に銀微粒子を形成させた。透過型電子顕微鏡観察の結果から、ナノサイズの銀微粒子がポリマー中に生成していることが確認された。
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Research Products
(1 results)