2005 Fiscal Year Annual Research Report
固相合成によるナノ積層型高分子結晶の創製と特性評価
Project/Area Number |
03J06927
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小谷 徹 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | トポケミカル重合 / ジエン / ジアセチレン / インターカレーション / 結晶 / 銀微粒子 / 固相反応 / ハイブリッド |
Research Abstract |
本年度は固相合成で得られるナノ積層型高分子結晶の電気的、光学的性質の基礎的な評価法についての知識を習得するために、前年度末から引き続きアメリカ合衆国Georgia Institute of TechnologyのProf.Seth Mardar研究室にて主に研究を行なった。評価法を習得するための試験的な材料としてπ共役オリゴマーの合成し、非線形光学特性の評価を行なった。この過程において、π共役系分子の非線形光学特性を増大させるための、分子の基本的な設計についての知見を得た。一般的なフェニレンビニレン骨格のフェニル基をピロールで置き換えたπ共役オリゴマーを種々合成した。合成した共役鎖の長い化合物は、3次非線形光学効果の一つである2光子吸収用の染料としてこれまで以上の高い吸収断面積を示した。また、3次非線形感受率χ^<(3)>の値も大きく、良好な膜を得ることができることから今後の発展が期待される。さらに、それらの化合物は非線形光学特性だけでなく、有機太陽電池用材料としての展開も期待されている。 また、前年に引き続き、ジエン部位、ジアセチレン部位を持つモノマー結晶の重合による積層型ポリマー結晶の合成に取り組んだ。種々のジアセチレンジアミン分子を合成し、ジエンカルボン酸と組み合わせた結晶中でのポリジアセチレンの収率を向上させる検討を行なった。 銀イオンの光還元によるナノハイブリット材料の合成では、銀の濃度をコントロールすることで銀微粒子のサイズ制御が達成された。また、ポリマー中に分散されているため熱安定性が高いことが示された。このような材料は、光書き込み型の記録材料としての応用が期待されている。
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Research Products
(1 results)