2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔上皮細胞の自然免疫応答-特に歯周病発症との関わり-
Project/Area Number |
03J06961
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 亜希子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | NOD1 / NOD2 / TLR / MDP / DMP / lipopeptides / lipid A / NFkappaB |
Research Abstract |
NOD系とTLR系を介する刺激の相乗作用 最近、nucleotide-binding oligomerization domain(NOD)ファミリー分子がマイコプラズマを除くほとんどすべての細菌細胞壁を構成するペプチドグリカン(peptidoglycan ; PGN)を細胞内で認識して炎症性サイトカイン産生など自然免疫応答を発現することが米(ミシガン大学)・仏(パスツール研究所)二つのグループの研究によって判明した。即ち、NOD1はジアミノピメリン酸(diaminopimelic acid ; DAP)を含むPGNのペプチド部分を、NOD2はムラミルジペプチド(muramyldipeptide ; MDP)を認識する。我々は、細菌菌体表層成分を模した化学合成した各種NODリガンドと各種TLRリガンドによるヒト単球系THP-1細胞に対する相乗作用を遺伝子はRT-PCR法、タンパクはフローサイトメトリー・ELISA法ならびに免疫蛍光染色法により検討した。その結果、供試標品(FK156およびFK565ならびにγ-D-Glu-meso-DAP[NOD1リガンド]、合成MDP[NOD2リガンド]、大腸菌型合成リピドA[TLR4リガンド]、大腸菌型合成リポペプチドPam3CSSNA[TLR2リガンド]細菌型CpG DNA[TLR4リガンド]はいずれもTHP-1細胞に作用しinterleukin-8や腫瘍壊死因子TNF-α産生を増強したが、NODリガンドの作用はTLRリガンドに比べて著しく弱かった。また、供試したNODリガンドを組み合わせて刺激すると著しい相乗作用が認められた。さらにそのレセプターシステムを解析するためにRNA干渉法により、NOD1もしくはNOD2遺伝子発現を特異的に抑制したトランスフェクタントを作成した。親細胞ならびにこれらのトランスフェクタントを供試したところ、NOD1リガンドとNOD2リガンドのTLRリガンドとの相乗作用は、それぞれNOD1とNOD2依存的な転写因子NFkappaB活性化に基づくことが判明した。
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