2003 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染によるTRAILを介した神経細胞死(HIV脳症への関与)
Project/Area Number |
03J06977
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 義治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | HIV / TRAIL / HIV脳症 / hu-PBL-SCIDマウス / 単純ヘルペスウイルス |
Research Abstract |
申請者はエイズ脳症患者剖検脳の解析、脳分散培養系実験の一部施行をし、すでに論文として発表している。(Journal of Medical and Dental Sciences(第51号、2003年))今年度はまずこの結果を海外および国内の学会に発表した。その結果、非常に有意義な専門的コメントが得ることができた。その内容はTRAILレセプターの発現、新規スライス培養系での応用および神経幹細胞での機能障害に関することであり、いずれも今年度中に研究が進展した。 TRAILレセプターの発現に関しては、マウス脳分散培養系において神経細胞にTRAILレセプターの発現が確認された。このレセプターの発現は中枢神経系に限らず、リンパ球系細胞においても非常に複雑に制御されていることが報告されていることから、さらに詳細なメカニズムを解析する必要があると考えられる。 次に新規培養系として新生ラットから海馬スライス培養系を確立することができた。この培養系の確立によりさらにウイルス性脳炎培養実験系を確立すべく、まず遺伝子操作により感染性ヒト免疫ウイルスにGFPを組み入れたものを用いて応用し、感染実験系を実現した。また、比較のために感染性単純ヘルペスウイルスにGFPを組み入れたウイルスも用いている。 神経幹細胞に関しては、ヒト免疫不全ウイルスに感染したマクロファージは成熟した神経細胞にアポトーシスを起こすだけでなく、さらに神経幹細胞の機能障害を引き起こす可能性があるという実験結果が得られ、現在追加の検討を行っているところである。 一方、脳炎モデルの基盤となるhu-PBL-SCIDマウスにおけるヒト細胞の体内動態の調査の結果、脾臓においてヒトにおける二次リンパ組織様の細胞構築がなされ、ヒト二次リンパ組織のモデルとしても有用であることが示された。
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Research Products
(1 results)