2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J06999
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三輪 哲 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 社会階層 / 学歴意識 / 教育 / 社会意識 / 潜在構造分析 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、「豊かさ」の達成以降の日本社会における階層意識の新たな焦点として学歴意識に着目し、その潜在構造を読み解くとともに、それが階層化社会の中でどのような意味を持ちうるのか、検討することである。すなわち、学歴意識研究を階層意識研究の下位領域として位置づけ、階層論的にみた研究の発展の可能性を探ることを試みる。具体的には、(1)学歴意識の概念整理と理論的再検討、(2)学歴意識の内的潜在構造の解明、(3)学歴意識と階層構造、属性的地位などの外的変数との関係の記述と説明、(4)幅広い社会意識項目の中における学歴意識の位置に関する経験的検討、の4点を中心とする。今年度の研究実績は、以下のようにまとめられる。 第一に、概念的整理のために学術的先行研究、雑誌・新聞記事など文献を広く渉猟し、学歴意識研究再生のための資料収集を行った。また、集められた資料は、今後の利用の便宜を図り電子ファイルとして保存した。 第二に、他分野の研究者を招いての研究会を行い、理論的考察のための有効な助言を得た。さらには、研究代表者が専門とはしていない分析方法についてもそこで多様に学び、より包括的な視座を得るための方法論的基礎を固めた。 第三に、次年度に予定される本調査のための、予備調査を行った。大学院生学部生など多くの協力の下で、質問紙上の問題点の発見、理論モデルの未整理部分の把握、潜在構造抽出に向けた予備的解析結果の獲得など、多くの知見を得ることができた。また、その結果、当初想定していた以上に学歴意識の意味をより深く知る必要性があると判断し、平成16年度に実施予定の本調査について、対象母集団の設定、調査票の設計などに関する方針を変更の末、確定した。
|