2003 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ・ナノ電気機械システム(NEMS)
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03J07018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 英俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 選択成長 / 電界誘起 / 熱フィラメント / CVD |
Research Abstract |
本研究の計画では、本年度はCNT成長装置の改良と選択成長の手法の改良、および成長させたカーボンナノチューブ(CNT)の特性の評価を行う予定であった。 本年度の実績としては、まず、成長装置にいくつかの改良を加えた。改良点としては、光ファイバ温度計を用いた非接触基板温度計測システムの組み込みとそれに対応したサンプルホルダの改良、これまでの熱伝導真空計に加え電離真空計の設置、熱フィラメントの最適化などが主なものである。 光ファイバ温度計の設置により、これまで計測の困難であった成長中の基板温度を計測することが可能となった。これによりCNTの成長において重要なファクタとなると考えられる成長中の基板温度などが測定可能となり基板ヒータと併せて使用することにより、CNTの成長をより細かく制御することが可能となった。 真空計の増設はガス種による表示ガス圧の誤差を、異なる原理の真空計による測定値の比較によりより小さなものに抑えることに役立った。 熱フィラメントはこれまで、成長中にフィラメント内部へのガス拡散により著しい変形が見られ、基板フィラメント間距離の分布がでてしてしまっていた。これによる基板の温度分布の不均一が均一な成長条件を基板上に作り出すことを妨げる最大の要因となっていた。今回フィラメント形状及び予備応力などを最適化することによりフィラメントの変形を最小に抑えることに成功した。これにより基板上での成長をより均一にすることに成功した。 成長したCNTの特性評価は、電気特性の評価を行った。今回の計測により、本成長法で成長を行ったCNTは成長後の処理なしにシリコンの基板とオーミックな電機接続を有していることが分かった、これは本手法で成長させたCNTをナノ電気機械システム(NEMS)に応用する場合、コンタクトを得るプロセスを省けるなど非常に有利に働くものと考えられる。 また、本手法を用いたデバイスの試作も行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ono, S.Sugimoto, H.Miyashita, M.Esashi: "Mechanical Energy Dissipation of Multiwalled Carbon Nanotube in Ultrahigh Vacuum"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.42. L683-L684 (2003)
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[Publications] T.Ono, H.Miyashita, M.Esashi: "Nanomechanical Structure with Integrated Carbon Nanotube"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.43. L855-L859 (2004)