2004 Fiscal Year Annual Research Report
知的精密測定法による機上ナノ計測技術を用いた非球面形状の高精度化に関する研究開発
Project/Area Number |
03J07022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒井 義和 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ソフトウエアデータム / 機上計測 / 自律校正 / 非球面 / ナノ計測 / 運動誤差 / プローブ先端球形状誤差 / 補正加工 |
Research Abstract |
本研究では基準の得難い超高精度の世界において、形状精度50nm以下という非球面形状の実現を目指すために加工機の走査基準および機上測定プローブの高精度化を目的としている。そのため機上にて高精度な基準を創り出すことのできる知的精密測定法による機上ナノ計測技術を開発することが有効である。 初年度の基礎実験で得られたデータを基に加工機への適用を試みた。まず加工機スライドの運動誤差の高精度計測について基礎実験で用いた補助試料を加工機へ搭載しその形状を基準として加工機スライドの運動誤差を測定した。これにより高精度な走査基準を得ることができ加工精度および機上測定精度を高めることができる。理想的には測定点を加工点と一致させることが望ましいが物理的な干渉および加工室内の雰囲気などを考慮して加工室の反対側に測定システムを構築した。測定点と加工点の不一致により生ずる誤差を求め補正データを得るために、切り込み方向に直接影響する水平真直度誤差以外に、基礎実験で行った補助試料の形状を利用して変位計を縦方向に2本並べその差動出力からローリング誤差を求める方法を用いて測定した。その結果、水平真直度は約120nm、ローリングは約2.4秒、それぞれの繰り返し誤差は30nm、0.06秒となりオフセットを20mm以内に収めればアッベ誤差を10nmまで補正できることが明らかになった。次に非球面形状測定用の接触式プローブ先端球形状誤差の自律校正に関して、機上にて簡便に自律校正が行える方法を適用し特別高精度な試料球を用いることなく接触角にして±30°の測定範囲で60nmの形状誤差を得た。以上、加工機に知的精密測定法による機上ナノ計測技術を適用することにより今まであまり考慮されることのなかった数十nmオーダの誤差を補正しながら、形状および接触角の大きく変化する非球面形状をプローブの安定性の限界までの繰り返し誤差で測定できることが確認できた。
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Research Products
(4 results)