2004 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル圧力での炭素質隕石の相関係と金属メルト-珪酸塩メルトの元素分配
Project/Area Number |
03J07113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
朝原 友紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 炭素質隕石 / 高圧 / 元素分配 / 相関係 / 放射光 / 金属 / 珪酸塩 |
Research Abstract |
地球の元素存在度は酸化的な炭素質コンドライト的であるのに対し、地球総組成のFeO/Fe比は炭素質隕石よりも非常に還元的なエンスタタイトコンドライト隕石の値に近い。この為、初期地球における核の形成及びマントルの化学分化を考える上で、相関係、元素分配に与えるFeO/Fe比の変動の効果を明らかにすることは非常に重要である。本研究においては、まず代表的な炭素質コンドライトであるAllende隕石について、25GPaまでの相関係と、珪酸塩鉱物間、珪酸塩-金属熔融液間の元素分配係数を明らかにし、この成果を国際誌Physics of the Earth and Planetary Interiorsに発表した。また、研究過程において炭素質コンドライト組成物質を構成する高圧相の一つとして見出された、Fe,Mg成分を多量に固溶する立方晶ペロヴスカイト(CM-pv)について、30GPaにおける、その生成過程と安定性についての研究を放射光その場観察実験及び電子顕微鏡観察によって行った。その結果、隕石などのFeOを多量に含む組成系において、CM-Pvは、輝石、またはガラスから高圧相(斜方晶ペロブスカイトプラス立方晶ペロブスカイト)に転移する際に生成する準安定相であり、安定相である斜方晶及び立方晶ペロブスカイトは互いにほとんど固溶しないことを明らかにした。この成果をまとめ、国際誌American Mineralogistに発表した。5月からバイロイト大学において金属鉄への酸素の溶解量について、圧力依存性と系のFeO/Fe比の変動の効果についての研究を行っており、現在、論文を準備中である。
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Research Products
(2 results)