2003 Fiscal Year Annual Research Report
粉砕技術による難処理廃棄物の非加熱分解とその実用化プラントの設計に関する研究
Project/Area Number |
03J07167
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三尾 浩 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 粉砕 / ボールミル / メカノケミストリー / シミュレーション / DEM / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
本研究は、メカノケミカル(MC)法により有害廃棄物の非加熱無害化処理法を提案し、その実用化のための装置スケールアップ法の指針を示し、資源の有効利用、環境保全に貢献することを目指している。すなわち、まずPTFE、HBBなどの難燃性ポリマーと添加剤(CaO,SrO等)を混合粉砕することにより、非加熱で脱ハロゲン化が可能であることを示した。さらに、MC法を大型化、最適化を行うための検討として、La_2O_3+Co_2O_3→2LaCoO_3のMC固相反応系を対象に、種々の大きさの遊星ボールミルを用いて粉砕実験を系統的に行うとともに、DEM(離散要素法)を用いたコンピュータシミュレーションにより、粉砕過程における媒体の衝突エネルギーを求め、MC実験との関連性を示した。その結果15mmボールを用い、小型遊星ボールミルにより700rpmで3時間粉砕で合成可能である上記反応系は、シミュレーションにより算出される垂直方向の衝突エネルギーを評価することにより、他の粉砕条件(ボール径、回転速度の異なる条件)で反応完了時間の予測ができた。さらに、実験室レベルの装置での大型化においても、反応の最適化が達成された。これまで他の粉砕条件で反応を再現することが難しく、装置のスケールアップが困難であったものが、シミュレーションにより算出される垂直方向の衝突エネルギーを考慮することにより達成可能とした。しかし、ボール径が極端に小さな条件、あるいは、回転速度が非常に小さい条件では、試料に与える総エネルギーが必要条件を満たしていても、反応は進行しない。これは、1回の媒体衝突のもつエネルギーが極端に小さいためであり、反応には一定レベル以上のエネルギーが必要であることがわかった。このことにより、MC法の大型化には、垂直方向の衝突エネルギーの総量とそのエネルギー密度(分布)が非常に重要であることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 三尾浩, 他: "胴長の異なる転動ミル内における媒体運動と粉砕速度との相関"多元物質科学研究所素材工学研究彙報. 59巻1,2号. 10-16 (2003)
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[Publications] Hiroshi Mio, et al.: "Analysis of Particle Mixing Behaviour in Attrition Ball Milling by Discrete Element Method"Proceedings of 2^<nd> Asian Particle Technology Symposium. 1. 263-268 (2003)
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[Publications] Hiroto Mori, et al.: "Wet Ball Mill Simulation and Its Relation to Grinding Rate of Materials in Tumbling Milling"Proceedings of 2^<nd> Asian Particle Technology Symposium. 2. 365-370 (2003)
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[Publications] Chi Chih Kwan, et al.: "Modelling the Milling Behaviour of Pharmaceutical Powders"Proceedings of 1^<st> International Mini-symposium on Powder Science and Technology. 1. 1-9 (2003)