2004 Fiscal Year Annual Research Report
モーフィング技法による顔の感性印象の実験計量心理学的検討と感性福祉への応用
Project/Area Number |
03J07281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊師 華江 東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 笑顔 / 提示方法 / ピークとなる強度 / 印象評価 / モーフィング技法 |
Research Abstract |
画像としての笑顔の提示方法やピークとなる強度の違いが,人に与える印象の程度に及ぼす影響を実験的に検討した.提示方法として,静止画提示,切替え提示(真顔静止画提示後に笑顔静止画提示方法),動画提示(真顔からピークとなる笑顔へ連続的に変化)の3条件を設けた.笑顔強度はモーフィング技法によって,真顔と笑顔のオリジナル画像を基に操作された.ピークとなる笑顔強度は,0%,30%,60%,90%,120%の中から選択された.先行研究に基づいて選択された5項目の印象評価用語(「魅力的な」,「思いやりのある」,「元気のよい」,「たくましい」,「美しい」)を用いて,刺激となる笑顔の印象を32人の評定者が7段階で評価した. その結果,動画提示は顔の美感的側面(「美しい」「魅力的な」「思いやりのある」)の評価において,ある特定のピークとなる笑顔強度のときに,それらの印象の増幅をもたらす傾向が見られたが,その効果は小さかった.一方,ピークとなる笑顔強度に関しては,強度が強まるほどに全ての評価用語において印象の顕著な増幅をもたらしていた.このことは,笑顔によるポジティブ印象の増幅は,提示方法や提示時間に関する笑顔の時間的特性というよりも,ピークとなる笑顔強度などの空間的布置変化の影響がより大きいことを示している.本研究結果は,HIP研究会(仙台)ならびにECVP(ハンガリー)において発表された.
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Research Products
(4 results)