2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール強磁性体円盤配列の磁気的性質と電子輸送に関する研究
Project/Area Number |
03J07318
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島 久 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 単結晶 / 超高密度磁気記録媒体 / FePd / CoPt |
Research Abstract |
本研究では超高密度磁気記録媒体用材料として注目されているL1_0型強磁性合金Fe-PdおよびCo-Ptの単結晶を作製し、磁気記録媒体の熱安定性の指標となる物理量である結晶磁気異方性について調べた。L1_0型強磁性合金はfcc不相からL1_0相への規則化に伴って発生する弾性エネルギーを緩和するために、異なるc軸配向方位を有するマルチバリアント状態となる。c軸は磁化容易軸であり、マルチバリアント状態では結晶磁気異方性エネルギーを精確に評価することはできない。そこで本研究では圧縮応力場中での規則化熱処理を用いて、c軸を一軸配向させたシングルバリアント状態のL1_0型強磁性合金単結晶を作製し、強磁場磁化測定を行って精確な結晶磁気異方性定数を決定した。 X線回折測定の結果、Fe-PdおよびCo-Pt合金のc軸は規則化熱処理時に印加された圧縮応力方向に一軸配向した。一軸結晶磁気異方性定数K_Uはc軸方向とa軸方向の磁化曲線で囲まれた面積で定義した。L1_0型Fe-Pd合金の一軸結晶磁気異方性定数K_UはPd濃度の増大に伴って減少する。Fe-Pd合金において軸比c/aはPd濃度の増大に伴って減少し、正方歪が増大する。L1_0型Fe-Pd単結晶を用いて実験的に得られた結晶磁気異方性と正方歪の関係は、線形化されたマフィンティン軌道法を用いた第一原理計算の結果と良く対応する。4.2KにおけるK_Uの値は等比組成でK_U=2.1×10^7erg cm^<-3>となる。 L1_0型Co-Pt合金のK_Uを140kOeまでの強磁場磁化測定の結果を用いて決定した。K_Uの値は等比組成で最大となり、K_Uの温度依存性から求めた0Kへの外挿値は6.5×10^7erg cm^<-3>である。
|
Research Products
(3 results)