2003 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域波長可変テラヘルツ波光源開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
03J07325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 雄三 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | テラヘルツ波 / 非線形光学 / 擬似位相整合 |
Research Abstract |
テラヘルツ(THz)波発生用の差周波混合用光源として利得スイッチ動作半導体レーザーを用いた2波長動作高出力光パルス生成を実現した。THz波発生用非線形光学材料は、傾斜構造を有する周期分極反転LiNbO3 (slanted-PPLN)を用い、THz波帯での擬似位相整合を実現した。この2波長光源とslanted-PPLNを用いて高繰り返しの波長可変THz波発生光源を開発した。 繰り返し周波数1MHzの利得スイッチ動作DFB-LDの励起光(中心波長:1555nm,パルス幅:200ps)と外部共振器型LDからの連続波(cw)プローブ光を高非線形性ファイバーに入射させ、四光波混合(FWM)により時間的に完全に同期した2波長短光パルスを得た。EDFAを用いて平均出力で1W以上、ピークパワーで10kWと従来の固体レーザーに近い値が得られた。プローブ光の発振波長を変化させることにより、2波長光パルスの周波数間隔も変化するので、波長可変な差周波混合の光源とすることができる。これらの2波長光パルス発生の過程は全て光ファイバー中で実現できているので、小型・携帯可能なTHz波発生光源の可能性も有している。 この2波長光パルスをslanted-PPLNに入射することで、2波長光パルスの周波数間隔に相当するTHz発生を確認することができた。走査型メタルメッシュ干渉計による測定を行った結果、THz波の波長が141μmの際に線幅は10GHzと見積もられ、分光応用上十分な線幅であることが確かめられた。この際、プローブ光とFWM光の波長は、各々1537nmと1572nmであった。また、分極反転周期の異なる複数のslante-PPLNを用いることにより、1.2から2.1THzの範囲でTHz波発生を確認している。今後、3THz以上の高周波の発生や、光導波路を導入しcw-THz波発生への展開が考えられる。
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Research Products
(1 results)